毒親は変わらないと諦める『毒親の子どもたちへ』感想と克服方法
毒親は諦める
私は毒親育ちだと自分では思っていて、生きづらさに長い間苦しんできました。
やっと克服できた今思うことは、親に期待しないことが大事で、克服するには親は変わらないと諦めることが大事だということです。
私は親を恨んでいたし、許せないと思っていました。
だけど生きづらさを克服していくと、親に対する考え方も変わってきました。
悪いのはすべて毒親、毒親は許さなくていい、生きづらいのは毒親のせいとか、そんなこと言わないでと今では思うようになりました。
それらの言葉は、どんな育てられ方をしたとしても自分らしく生きていける、そんな可能性を遠ざけているように感じるのです。
毒親育ちの人は、親が悪かったと思いながら、一生親を恨みながら、生きづらさを抱えながら生きていくしかないなんて、あんまりだと私は思うのです。
生きづらい原因が親の育て方のせいだったら、立ち直る余地がないです。
親に愛されなかった子供は、生きづらい人生になると言われたら、親に愛されなった子供はどうすることもできないまま生きづらい人生を送るしかないことになります。
生きづらい原因は、人を恨む感情や自己処罰の感情、そのままの自分を受け入れることができないことにあると私は思っています。
その原因を作ったのは、家庭環境であることが多いかもしません。
そこで家庭環境に注目しても、なかなか解決にはならないような気がします。
家庭環境は、自分の力ではどうにもできない部分があるからです。
親からどんな目にあったとか、親から傷つけられた出来事に目を向けるよりも、傷ついた状態からどうやって立ち直っていくかを考えていく方がいいのかもしれません。
毒親育ちで生きづらい、そこからどう抜け出すかを書いている本が、『毒親の子どもたちへ』です。
『毒親の子どもたちへ』感想と克服方法
アマゾンで評価が割れていて、ずっと気になっていた本です。
生きづらさを毒親のせいにしないで、上手くいかない原因を毒親のせいにして、自分が本来向き合うべきことから逃げようとしないで、”機能不全家族の中で育って生きづらさを自覚している人にも、たくさんの可能性があるということ” が書いています。
否定的なレビューがあったのも、理解できました。
今、毒親への怒りで支配されている人は、この本を読む段階ではないかもしれません。
毒親育ちの当事者からすると、健全な家庭環境で育つのと、機能不全家庭で育つのとでは、その後の人生が変わってくると思うのです。
親の育て方を恨んだって仕方がないということは理解できますが、それでも健全な家庭環境で育ったら、こんな風にはならなかったという思いはあります。
だけどこの本は、毒親育ちで傷ついている人をさらに追いこもうとしている本ではありません。
親から傷つけられた人が、どうして苦しみながら生きていくしかないのだろうか、自分が手にしている自分らしさに目を向けてほしい、毒親にばかり注目して自分の可能性を潰さないでほしいというメッセージが込められていると私は思いました。
人は正しい答えを知っている
親が変わるか変わらないかは分かりませんが、自分がこのままではダメだと思うのなら、自分自身で解決の途につくしかありません。
その解決法を、私が知っているわけではありません。私が知っているのは、あなた方自身が解決法を知っているのに、気づかないフリをしているということです。
知っているくせに、いろいろなことを言って、なかなかそこにたどりつこうとしない。そのことに気づいてもらいたいのです。
引用元:斎藤 学『「毒親」の子どもたちへ』
”正しい答えを人は知っている。” これは『七つの習慣』の本にも書いていました。
生きる意味も、答えも、自分自身が知っていて、だから答えを他者にゆだねなくていいと思うのです。
自分が自分らしく生きる手段も自分の手の中にある。人は、そのままの自分でいいと本来思っているからです。
あるがままの自分の姿を受け入れて生きていく、そのために、人を恨むことをやめて、自分も他者も、条件をつけて否定的にならないことが大切です。
親にぞんざいに扱われたとしても、自分が自分のことをぞんざいに扱わないことが大事で、人の価値は誰にもおびやかすことなんてできません。
そして、そのままの自分に価値があると気づいたとき、どんな人にも変わらず価値があると認めることができます。
対人関係の改善
対人関係の改善が克服にもつながります。
自分を大切にしていない人は、人のことも大切にしていないのかもしれません。
自分は愛されない存在だと思い、人は裏切ると思って、愛されない事実や人が裏切る事実ばかりを集めます。
人の優しさや、大切に思ってくれる他者の存在に気がつかないようにしていると思うのです。
本当は正しい答えを知っている、優しい言葉を知っている、人が持つ優しい心を知っているはずなんです。
人を恨んでいると、人にされた嫌なことばかりが目につきます。
人を恨まないために、人が人を傷つける原因を考えることが大切です。
親を恨まないために、親が自分を傷つけた原因を考えることが大切です。
親を許せないのは、悪いのは親だと思っているからかもしれません。
親が毒親になったのは、親のせいなのだろうか。
親が毒親になったのには、必ず原因があると私は思います。
毒親育ちの乗り越え方
親を恨む感情や、親を許せない気持ちが自分の本心かどうかは分かりません。
そんなことを書いたら、私の親はその程度の毒だったと思うかもしれませんが、そんなことはないかもしれません。
私は、地獄のような世界を生きていた時もあったし、救急車に乗ったこともあります。
逆に言うと、たとえ今どんなに地獄を感じていたとしても、自分の存在を否定して、自分を大事にする気持ちを見失ったとしても、それで自分の人生が終わりにはならないということです。
立ち直る可能性は誰もが手にしている、自分自身が持っている答えにいつか気がつけばいいんです。
自分をあきらめないで、自分を軽んじないで、どんな育てられ方をしたとしても価値ある自分のことを忘れないでと思うのです。
憎しみはいつか手放していけばいい、そのために、自分も他者のことも否定的な部分ばかりを集めないことが大切です。
すぐに人に失望しないこと、自分が築き上げる人間関係を、自分の手で簡単に壊さないことが大事です。
毒親は変わらないと諦めても、希望は無くなりません。
自分が手にしている自分らしさに、いつかたどり着けばいい、私はそう思うのです。