毒親育ちで死にたいと思っていた私が、いま生きている理由
消えてしまいたいと思っていた過去
私は毒親育ちだと自分では思っていて、ずっと生きづらさを抱えて生きてきました。
私の母は、私が動けなくなるまで追いつめるような親でした。
例えの話ですが、成績でクラスで上位5番までになれとか、そんなことを求めてきました。
ちなみに私の兄は、クラスどころか学年でトップをとるような成績でした。
兄とは、生まれ持った能力に違いがあるような気がしました。
だけど母は私にも優秀であることを求めてきました。
もちろん私もがんばりました、必死です。それでも結果が悪かったら、兄とは違って出来が悪いって言われるんです。
学校から家に帰ったら、毎日のように追いつめてきました。
私は次第に生きる気力も失っていきました。
だけど、ついに私が一歩も動けなくなって、消えてしまいたいと思う深刻な状態になって、そこで母は最後のとどめを刺しませんでした。
生きていても意味がない、消えてしまいたいと思って何もできなくなった私に、母は何も言わなくなりました。
そのとき母にさらに追い打ちをかけられていたら、私は今この世にいなかったかもしれないと思います。
私が再び動けるようになるまで、母は何も言いませんでした。
今でも、ずっと不思議なんです。
母はどうしてあの時、何も言わなかったのだろうと思うのです。
ずっと出来が悪いって言われ続けて、否定されてきたけれど、ついに私がもうこの世にいたくないと思ったときに、母は今まで言っていた私を否定する言葉を何も言わなくなったのです。
母が最後の最後に私を追いつめなかったことが、いま私が生きている理由です。
優秀どころか何もできない私に対して、母は生きていればいいと思ったのかもしれません。
同じ間違いを繰り返す
私が動けなくなった過去を振り返って母は、「あのとき、10番以内でもいいとか、がんばったらそれでいいって言っていたら、あなたは倒れなかったのかな」って言ったことがあります。
それを聞いた私は、母にはそんな子育ては絶対無理だと思いました。
私が再び動けるようになったら、また自分の理想を押し付けてきましたからね。
だけど今、生きていてよかったと思います。
息苦しくなることもあるけれど、悲しいことも虚しくなることも、色々な苦しみはあるけれど、それでも生きていてよかったと感じます。
私の母は今も色々な理想を押し付けてきます。
子供を自分の理想通りにしようとコントロールしてきます。もう私は中年(30代後半)なんですが。
そのコントロールがイヤで、私は親と絶縁していたときもあります。
私と音信不通になって、色々な理想を押し付けてきた母が出した答えは、子供(私)に会えたらいい、ということでした。
そして再び会うようになったら、また私をコントロールしようとします。
なんかずっと同じ間違いを繰り返しているように見えます。
だけど少しずつ親子関係も変わってきました。
色々な理想はあるけれど、結局はお互いの、そのままの状態を受け入れるしかない、ということです。
分かり合えない虚しさは
私は母の思い通りに生きることはできないんです、母の理想もぶっ飛んでいますからね。
不可能を可能にしろと言ってきます。
母とは一生分かり合えない、母と分かり合えない虚しさは、一生抱えるしかないと思っていたときもあります。
けれど今は、母と分かり合えなくても、それがすべてではないと思うようになりました。
それにどこかでお互いの愛を感じることもあります。
母が気づいていない事実
母は何度も私に理想を押し付けてくるけれど、最後は子供(私)が生きていたらいい、という結論を出しています。
その事実に母は気づいていません。
気づかないから、今も理想を押し付けてきます。
だけど私は母の思いが分かります。
母の期待に応えなくても、母に愛されていると感じます。
母は色々言ってくるけれど、母の言葉をそのまま受け止めなくていいと思っています。
親が子供を傷つける言葉や子供を否定する言葉が、親の本心かどうかは分かりません。
それに親自身がそのことに気づいていないこともあります。
私たち親子は、何度も間違いを繰り返してきたし、これからも間違いを繰り返していくのかなと思います。
だけど、何度でもやり直したらいいと私は思っています。
それに間違えているようで、改善していることもあります。
ずっと止まっているように見えて、進んでいることもあります。
この世に絶望を感じても、どこかに生きる希望はあります。
息苦しくなることもあるけれど、いま生きていてよかったと私は思うのです。